よい土ってどんな土?

いい土が無いと、植物はちゃんと育ちません。

でも、いい土ってどんな土で、どうやって作るのでしょうか?

 

☆やせてる土、肥えてる土

 

・ひとことまとめ

いい土=肥えてる土は黒くてフカフカ

やせてる土は赤っぽかったり白っぽくて固いかサラサラの砂

腐葉土や堆肥を加えると、肥えた土になって肥料が効く。

やせた土に肥料をやっても、効かないし水をやったら流れて行ってしまう。

 

「やせてる土」は、栄養が全然入っていない土ではないんです。肥料が効かなくて、いい微生物が全然いない土の事です。

森のフカフカの土は肥えていますが、砂浜や赤土はやせています。

またやせた土の代表例として、学校のグラウンドの土を想像して下さい。

 

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やせてる土に肥料をいくら入れても全然効きませんし、水をやったら泥になって吸収せずに表面にたまったままか、砂地は蓄えられずに流れて行ってしまいます。

肥料の効きやすさで、肥えている土とかやせた土と言うのです。

 

鳥取砂丘周辺の昔の農業では「嫁殺し」と言われて、いくら水をやってもすぐ乾くので、毎日水やりに明け暮れていたそうです。

今はスプリンクラーで、砂地に適したメロンの産地になっています)

 

肥えてる土は、生物由来の発酵した葉っぱの腐葉土や牛ふんや馬ふんなどの有機物が分解して出来た、フカフカの土です。

園芸の基本の土に腐葉土を3割入れるのは、肥えてる土にする為です。

腐葉土には栄養分はありませんが、混ぜると肥えた土になります。

 

水を入れると、すぐにしみ込んで行きます。

水源かん養林として国が森を保護しているのは、森の土は山の奥の方まで水がしみ込むので、山自体が多くの水がしみ込んだダムだからです。

森林を伐採すると、水がしみ込まずに流れて水害が多発し、地下水が少なくなり、水道水に使う川の水も減ってしまいます。

実は雨水が全然おいしくないです。でも天然水が美味しいのは、森林のゆっくりと地下にたまり、溶けてミネラルがしみ込むおかげです。

 

自然では雑草の枯れ葉や落ち葉が積もり、それが微生物のエサになって、土の表面からフカフカになります。

それと同じように、プランターでも耕さなくても表面に腐葉土を敷き、ふちに沿って微生物のエサとなる米ぬかをまけば、まるで微生物が耕してるように、表面から土がフカフカになって行きます。

地植えの場合も、腐葉土や実を取り除いた雑草を表面にまいて米ぬかをまいておけば、発酵が進んで土が柔らかくなって行きます。

 

☆なぜ有機物が多いと肥えるのか

 

・ひとことまとめ

小さな有機物のカケラが、肥料の成分をくっつけて離さないから。
生き物が有機物のまわりに土のつぶつぶを作って空気や水を適度に蓄えられる。

 

クヌギやブナなどの広葉樹の森の土は、手でかるくすくえる程フカフカです。

水を適度に含むし、水はけもいいんです。

土の中にはミミズや、落ち葉や朽ち木を食べるカブトムシの幼虫がいます。

ミミズのふんは、つぶつぶです。それがあつまると、小さな粒の集まりになります。

もっと小さな微生物も、のりのような物質を出して、小さい土のつぶを固めています。

 

それがだんだんと小さな粒になって固まって、↓のようになります。

これを団粒構造と言います。

 

やせた土は単粒構造。

化学肥料を使いすぎると単粒構造の土になります。

単粒構造は、微生物が少なくて、有機物もあまりありません。

 

水はけが悪く、根が吸う空気も少なく、肥料をくっつける有機物もありません。

その為、肥料は効かないし、雨や水やりで流れて行ってしまうのです。

団粒構造はかたまりの間に空気をいっぱい含むスペースがあります。

 

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赤玉土は元々が小さなつぶつぶの団粒構造なので、基本の土としてよく使われます。

ただ、有機物はほとんど含まれませんので段々崩れて来ます。)

 

この丸いかたまりの中には、腐った落ち葉などの有機物の粒が入っていて、肥料分を周りにくっつけます。

肥料を微生物が利用して、植物が吸いやすいようにします。(特に有機肥料

だから肥料が長くよく効くのです。

雨が降ったり水をやった位では、肥料分は離れにくいです。

  

サボテンのように、砂地に長く根を伸ばして育つ植物もあれば、ニンニクのように田んぼを畑にした後の、長靴で入ればズボっと入るような泥地が好きな植物もあります。

プランターでは、地植えと違って好きな用土を好きな割合で入れられるので、植物に合わせて用土を変えるのです。

 

☆石灰をまくと、さらに育ちやすく

 

・ひとことまとめ

土は大体酸性です。

アルカリ性の石灰で中和して、肥料が効きやすく根を傷めずに育ちやすくします。

 

日本の雨は酸性なので、外の地面は大体酸性の土になっています。

 

アジサイは酸性の土ならば青、アルカリ性ならば赤い色の花が咲きます。(本当は花ではなく、がく)
土がどれくらい酸性かで、植物に大きな影響があります。
大体日本の土や赤玉土腐葉土のような基本用土は酸性で、中性に近づけた方がいい植物が多いので、石灰をまきます。

 

(化学肥料を入れると酸性になりますし、雨で土のアルカリ分が流されます。
植物も根から酸(水素イオン)を出しますし、日本の雨は酸性です。
酸性過ぎる土だと、野菜の根が傷んだり根がリン酸を吸収しにくくなります。
逆にアルカリ性だとマグネシウムや鉄などのミネラルが土に溶け出さないので吸収が妨げられ、野菜の育ちが悪くなります)

 

大体の作物は、中性に近いph6.0〜6.5(ペーハー7.0が中性でそれより低いと酸性、高いとアルカリ姓)の弱酸性を好みますが、実際は作物によって適正なphがあります。

正確なphをはかる道具もありますが、通常は苦土石灰を袋の記載通りよりも、少し加減するだけでも大丈夫です。

 

ph6.5~7.0(ほぼ中性)が最適

ほうれんそう

 

5.5~6.5(やや酸性)が最適

キャベツ

こまつな

たまねぎ

チンゲンサイ

いちご

ゴーヤ

カブ

ゴボウ

大根

にんじん

ラディッシュ

 

5.5~6.0(酸性)が最適

サツマイモ

ジャガイモ

しょうが

にんにく

らっきょう

お茶